こんにちは。コンサルタントTです。
最近、久しぶりに読みたくなって「あしたのジョー(豪華愛蔵巻全巻セット)」を購入して、読みきりました。
「あしたのジョー」はコンサルタントTのジェネレーションだと「巨人の星」と並んでスポーツ青春コミックの名作の一つです。
確か、2018年に50周年記念展をやっていましたので、創刊は1968年だそうです。それを考えると、コミック、そして、その後のテレビアニメを見ていたのが小学生だったと思われます。
そんな古い名作で、説明の必要もないですが、知らない方や忘れている方向けに簡単にポイントだけ。 主人公矢吹ジョーは、東京のドヤ街という下町で喧嘩していたのを丹下段平という元プロボクサー/トレーナーの片目のおっさんにボクシングの才能を見出されたことから、その後、プロボクサーとなる。そんな彼を突き動かす原動力が、強敵のライバルたちの存在。最初で最大のライバルは少年院時代に出会った力石徹、続いてメキシコのカーロス・リベラや世界の強敵と対戦し、東洋チャンピオンまで上り詰め、物語最後に世界チャンピオンのホセ・メンドーサと死闘を演じる。
とにかく、梶原一騎さん原作、ちばてつやさん作画の出てくるキャラクターが全部かっこよく、セリフもしみるし、物語の展開も予想外だし、その中で、ジョーが10代の前半から後半に大人になっていく姿が描かれ、さらに、はかない恋愛などもあり、何度読んでも興奮、感動しますね。
みなさんの中で、もしまだ読んでいない方がいるのであれば、一度、騙されたと思って読んで見てください。心が震えます。
さて、その感動ポイントの裏にあるのが「パンチドランカー」という病気への恐怖です。
「パンチドランカー」とは「慢性外傷性脳症」という病名で
「頭部への打撃の蓄積のために脳に障害を起こしたボクサーおよびその病気」
のことで、実は、ボクシング以外にもアメリカンフットボール、アイスホッケー、プロレスリングなどの選手にも見られるようです。
実際に、今まで多くのボクシング選手が引退後にパンチドランカーの症状が現れ、日常生活に支障をきたしている例が報告されています。
最終巻で主人公のジョーは、リング上で「真っ白に燃え尽きた…」と言って死んでしまうわけですが、その原因はジョーが度重なる死闘でパンチドランカーであったためです。通常は引退後ですが、ジョーの場合は10代の前半から喧嘩を繰り返していて、ボクシングを始めてからも、基本、とことん打ち合う戦法のため、このパンチドランカーが進んでしまっていたという設定なのでしょう。
こう書いていると、9月1日にWBOスーパーフライ級チャンピオン・井岡一翔と挑戦者ロドリゲスの防衛戦タイトルマッチが行われており、テレビでも放送されていたので、思わず見入ってしまいました。
結果は井岡の判定勝ちでしたが、内容は15ラウンドほとんどが打ち合いで、両者、内容は互角の試合だったのではと思いました。結構きわどい試合でしたよね。
試合終わった時には、挑戦者・ロドリゲスの顔は血だらけ腫れており、チャンピオン・井岡も、顔こそ、それほどではありませんでしたが、ロドリゲスのパンチを相当くらっていました。特にスロービデオで見ると、両者ともパンチを打たれた瞬間、顔と頭が結構振られており、脳もかなりシェイクされているのではないかと思いました。
プロボクサーは、こんなに毎試合、顔と頭を振らされたら、これはパンチドランカーになるかも、と痛感しました。ジョーの物語のこの部分はフィクションではなく、限りなくリアルなんだと。
それでは。
(2021.9.4 コンサルタントT)