みなさま、こんにちは! コンサルタントTです。

今日は、「堤清二さん」のことを書きます。

 

みなさんは「堤清二」って誰かご存知ですか?

最近の若者を知らないかもしれませんね。

 

それでは「PARCO」「無印良品」「ロフト」「LIBRO」そして「J-WAVE」は知っていますよね。

 

堤清二さんは、西武百貨店の社長から西武流通グループ、今のセゾングループを育て上げた名経営者です。その過程で「PARCO」「無印良品」「ロフト」「LIBRO」そして「J-WAVE」などの、斬新な発想の小売店が生み出されたのです。

 

実はコンサルタントTの愛読書の一つ「日経ビジネス」で去年の11月からずっと「集中連載 堤清二 先見と誤算」という記事があり、それを読んでいて、今更ながらに「堤清二さん」っていう経営者ってすごい、今いないよね、って思ったのです。

 

「堤清二さん」が常人と違うのはもともとの生い立ちが、当時の西武財閥の頭首であり、衆議院議員だった堤保次郎さんの息子だったということもあります。

その後西武百貨店を任されるのですが、彼のやったことは経済学者シュンペーターの「創造的破壊イノベーション」に他なりません。「脱西武」「脱百貨店」を旗印にして百貨店と競合する新しい小売ビジネスを次々と立ち上げていった。

それも本人自身が立ち上げたというより、当時の優秀な部下の方々に、的確な指示をしてそれを育て上げていった、ということでしょう。マネジメントとしてはディレクションを示して、あとは任せるタイプだったようです。ただ彼の示す、ディレクションというのが、当時としてはとんでもなく先見的でかつスケールが大きかったようです。

 

「脱百貨店」で生まれた新小売業態の中で、特に「PARCO」(パルコ)は衝撃的でした。今でこそ、当たり前の形態ですが、当時としては初めての「ファッション専門店を集積した都市型のショッピングセンター」という発想はまさに「脱百貨店」でした。さらに当時社長としてパルコを率いていた増田通二さんという経営者がすごく、演劇やライブハウスなどの若者文化と融合させ、キャッチーなコピーライティングを使って「パルコ文化」というものを生み出したからです。

ただセゾングループ総帥となった「堤清二さん」の後半は栄光と挫折でした。

「生活総合産業」として小売業さえも超えて多角化したグループは、金融では東京シティファイナンスというノンバンク、リゾートでは西洋環境開発という不動産ビジネス、そして一時は国際的ホテルチェーン「インターコンチホテル」を買収するまでに膨れ上がったわけです。

1970年代、80年代に怒涛の成長をしていたセゾングループは1990年代初頭にバブル崩壊の波をまともに受けてしまいます。

大量の不動産を抱えていたセゾングループは、最終的にグループ負債が3兆円まで上り、最初にでてきた「無印良品」「ロフト」の優良事業はいち早く切り売りされてしまいました。

でもこうした「堤清二さん」が生み出したセゾングループは「PARCO」は渋谷や池袋を中心に今でもありますし、「無印良品」「ロフト」は今でも若者文化を育てています。

セゾングループは解体されましたが、そこで生み出されたビジネスは今でも残っているなんてなんか不思議ですよね。

 

(2018.2.9 コンサルタントT)